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流灯 ―りゅうとう―




『付き合い始めてから変わったこと』なんて、正直思いつかない。

だって
「幼馴染み」っていう繋がりを切ったわけじゃないし
お互いの呼び方だって一緒。
逆に「ハニー」なんて呼ばれたら背筋がゾッとしちゃう。
…まぁ、絶対ありえないんだけど。

たぶん、アイツもそう思ってるんじゃない?


そういう変化って、起こそうと思って起こせるものじゃないのよ、きっと。


―――灯籠流しってあるでしょ?

あれって、人の力なんか借りなくたって自然な水の流れに乗って流れていくじゃない。
たぶんね、あれと同じ。

私たちが意図的に「こうしよう」なんてしなくても、時間の流れに乗ってどこからか運ばれてくるのよ。


変化って、そういうものなんじゃない?


だからね
私、楽しみにしてるの。
これから先、私たちにどういう変化が訪れるのか。

先の読めない物語って、わくわくするでしょ?

当然、良いものばかりじゃないんだろうけど
そんなに悪いものばかりでもないと思うのよね。


―――なんか、そんな気がするの。



…あ!

変化が1つあったわ。




お互い自然にキスできるようになったこと。


変化って、進歩っていう意味もあるのかもね。





*流灯(秋八月)*
  盆の十六日に灯籠に火をつけて川や海へ流すのをいうのである。灯籠流し(とうろうながし)。

  螢子視点です。


  タイトルがかなりこじつけ。…あんまり気にしないでくださいませ!
  5000HITSの感謝をこめて、お持ち帰りフリーです☆







 5000HITSフリー作品、と言う事で、鳥遊様から奪ってきちゃいましたっ!!(>_<)
 螢子視点で、とっても綺麗な文章ですよね。 そしていつも題名がとても素敵っ。
 「当然、良いものばかりじゃないんだろうけど
 そんなに悪いものばかりでもないと思うのよね。」 の言い方がとてもが好きです。

 
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